アキテーヌの地方菓子
<ボルドレ> <ペリゴール> <ガスコーニュ> <バスク>

<ボルドレ>

キリスト教にまつわるお菓子
○カヌレ・ド・ボルドーCanelés de Bordeaux
昔ボルドー地方の修道院で作られていた伝統菓子。カヌレとはうね模様のこと。小さな王冠型で、外皮は焦げ茶色でカリッとし、中は卵色でねちっとした食感。バニラ風味のクレープ生地をカヌレ型に流して、高温で焼き上げる。1789年のフランス革命で修道女達が追われ、誰も作る人がいなくなったが、1830年頃再び作られるようになった。当時のカヌレは小麦粉の代わりにとうもろこしの粉が使われ、型は青銅製で蒸し焼きしたらしい。現在の銅製の型を使い始めたのはそれ以降で、職人達の提案だったという。ボルドーにはカヌレ協会があり、この伝統のお菓子を守り続けている。カヌレの原形はイギリスのマフィンだという説もある。
「アントワーヌ」で教えてもらったカヌレの作り方

Marché des Capucins, Bordeaux

Antoine, Bordeaux
☆カヌレ食べ比べ
価格 外形(上部の幅X下部の幅X高さ) コメント
ボルドーのマルシェのもの (1)  5FF 4.0X5.0X3.5cm 皮は薄く、下部に分離が見られる。ねっとりしたういろうのような食感。
ボルドーのマルシェのもの (2)  10FF 3.9X5.0X5.0cm 皮はしゃりしゃりで、生地は粉っぽい。
「Antoine」  8FF 4.3X4.8X4.0cm 皮はしっかり、生地はぐちゃぐちゃ、ラムの香り。1番おいしい。
「Madame Blanchez」
(サン・テミリオン) 
7FF 4.1X4.7X4.5cm 皮は1番黒い。中に対流のあとが見られる。オレンジの花の水の香り。
○サン・テミリオンのマカロンMacaron de St.Emilion
マカロンはアーモンドパウダー、砂糖、卵白で作った生地を丸く絞って焼いた菓子。サン・テミリオンのものは、13世紀にウルスラ会の修道女が作ったお菓子が起源。特産のソーテルヌなどの甘口ワインを加え、湯煎で温めて作るとか。他の地方のものに比べてねっちり感が強い。

「マダム・ブランシェ」で教えてもらったサン・テミリオンのマカロンの作り方
@ アーモンドを丸ごと熱湯につける
A 機械で皮と実に分け、乾かして粉末にする
B 卵白を泡立て、砂糖を加える
C AとBを混ぜ、紙の上に絞り出し、粉糖をかけ、15分焼く。

★マカロンは、パリ、ロレーヌ地方ナンシー、ピカルディー地方アミアン、シャンパーニュ地方ランス、ポワトゥー地方モンモリオンやニオール、サントル地方コルムリー、アキテーヌ地方サン・ジャン・ド・リュズ、ベアルン地方ポーなど、フランス各地で作られるポピュラーな地方菓子である。

Madam Blanchez, St.Emilion

Mattieu Moulierac, St.Emilion

<ペリゴール>

土地の産物を使ったお菓子
○ガトー・オ・ノワ Gâteau aux Noix
粉末または刻んだクルミをたっぷり生地に加えたケーキ。ぺリゴールはドーフィネ地方グルノーブルと並ぶクルミの産地で、その種類は10種類以上あるという。スポンジに混ぜたり、タルトにキャラメルかけして詰めたりと様々にアレンジして用いられる。

Salette, Perigueux Tout sur la Noix, Sarlat R.Mertz, Sarlat
○クルミのタルト Tartelette aux Noix
カラメリゼしたハチミツをからめたクルミや、粉末のクルミベースのクリームを詰めたタルト。チョコレートがけものやアイシングしたものもある。
独特のほろ苦さと甘さ、オイリーさがなんともいえない。現地で伝統的に作られているのは、粉砕したクルミとバター、卵、砂糖、粉などを混ぜたアパレイユを練りパイ生地をしいたタルト型に流すというもの。

サルラで見つけたのは、
@練りパイ生地にカラメリゼしたクルミを詰めたもの
A練りパイ生地にクルミケーキを詰め、チョコレートがけしたもの
Bアルミカップに入ったクルミケーキ、チョコレートがけしたもの
ミディ・ピレネー地方アルビの「ミッシェル・ブラン」で教えてもらった作り方
Dome
R.Mertz, Sarlat Patisserie Bazin, Sarlat
○トゥルティエールTourtière
ぺリゴール地方のリンゴを挟んだパイ菓子。トゥルトtourteの派生語。ぺリゴールではコニャックを使う。カナダのケベックではジャガイモを加えたミートパイのこと。ピレネー地方ではクルスタッド・オー・ポムCroustade aux Pommesと呼ばれる。

Marché des Capucins, Bordeaux
○カジャスCajasse de Sarlat
ペリゴール地方のパンケーキ。同地方の町名キュブジャークcubjacの派生語だが、同地方サルラの名物となっている。型にクレープ生地を流してオーブンで厚めに焼く。ラムで香りをつける。

キリスト教にまつわるお菓子
○ミヤスMillassou(まはミヤMillas)
トウモロコシ粉の団子、及びそれを固めてバターで焼いた南西フランスのお菓子。かつては復活祭に食べていた。ペリゴールのものは、温めた牛乳の中に、トウモロコシ粉、砂糖、レモンの皮のすりおろしを入れ、濃い粥状になるまで火にかける。火からおろして卵黄を少しずつ混ぜ込む。泡立てた卵白と合わせて、型かタルト生地に流して焼く。果物を加えてバリエーションを楽しむ。トウモロコシ粉とゆでて裏漉ししたカボチャのケーキを指すこともある。
ミディ・ピレネー
○クリュシャードCruchardes
トウモロコシのブイイ(粥の一種)を冷やし固めてから、一口大に切って揚げ、砂糖をまぶした菓子。

お祭りのお菓子
○メルヴェイユMerveilles
揚げ菓子。「驚異、傑作」の意味。ラテン語mirabilis「驚嘆すべき、すばらしい」が語源。生地を好みの抜き型で抜いたり、3つ編みにして揚げ、砂糖をふったもの。アングーモワ、ペリゴール地方のものが名高い。ラングドック地方のビュニェット、リヨンのビューニュなども同様である。小麦粉、卵、砂糖、バター、牛乳、ベーキングパウダーをよく混ぜて寝かせ、薄くのばす。油で揚げてコニャックで風味をつける。
○カンボ・ドゥイユCambos d'Ouilles
揚げて砂糖をふったベニエ。オック語でcambos「足」、ouilles「雌羊」の意。

<ガスコーニュ>

土地の産物を使ったお菓子
○ダコワーズ Dacquoise
アーモンド風味のメレンゲ生地にバタークリームをはさんで粉糖をふった、ガスコーニュ地方発祥のケーキ。ランド地方の町ダックスDaxの形容詞dacquoisの派生語。
19世紀末に「アンリ4世」という名の、ジェノワーズのような生地を使ったお菓子があり、この生地を改良したものが今のダコワーズになったとも言われている。このお菓子は、さらに南東、ピレネー・ザトランティック県のPau(ポー)という町のあたりまで広まったお菓子で、そこではPloise(パロワーズ)と呼ばれているそうだ。

La Tourière, DAX
○プリュノー・フーレ Pruneau Fourré
フランス語でプリュノーとは干しプラムのこと。太陽の下で干した後、50、70、90℃と温度を変えて乾燥機で乾燥させて、しっかりした皮を作り出す。アジャン産の干しプラムは十字軍がシリアより運んできたものの改良種で、少し大ぶりで形も良く濃い紫色をしていて、パリでも高級品。プリュノー・フーレはこのプリュノーを使ったアジャンの伝統菓子。種を抜き、中の果肉を取り出してクリーム状にし、アルマニャック、砂糖、リンゴのピュレなどと合わせて作ったペーストを再び果実の中に詰めたもの。

Favols, Villeneuve-sur-Lot
○パスティス・ランデ Pastis Landais
南西地方ランドのお菓子。小麦粉、砂糖、バター、卵、イーストで作る。写真のものはダックスで見つけたパスティス・デ・ピレネーPastis des Pyrénées.

ミディ・ピレネー

La Tourière, DAX
○ランド風パスティスPastis Landais
折りパイ生地の間に戻した干しプラムをはさんで焼いたもの。香りづけにアルマニャックを用いる。
○ガトー・オ・フェールGâteau aux Fers
ゴーフルのこと。「鉄(型)で作る菓子」の意。

<バスク>

土地の産物を使ったお菓子
○ガトー・バスクGâteau Basque
「ガトー・ヴォワイヤージュGateau de Voyages」(旅行や長期の外出に持っていく日持ちのするお菓子)」の1つ。バターケーキとクッキーの中間のような食感。バター、砂糖、卵、小麦粉を混ぜたやわらかく厚めの練りパイ生地を型に敷き、カスタードクリームを詰め、さらにパイ生地でふたをしてオーヴンで焼く。クリームの代わりにイグザスー地方のブラックチェリーを入れるのが正統派。表面にバスク地方のキリスト教のマークが刻まれることが多い。

コルドン・ブルーで習ったもの

St.Jean Pied de Port

St.Jean Pied de Port

St.Jean Pied de Port

Paries, Biarritz

Maison Adam,
St.Jean de Luz
↑右がGâteau Basque
左がGâteau de Pèlerin
(巡礼者のケーキ、帆立貝の形)
○ベレ・バスク Béret Basque
ベレー帽の形のチョコレートケーキ。ふんわりとしたチョコレートスポンジ生地をラムシロップに浸し、間にチョコレートクリームあるいはチョコレートムースをはさみ、チョコレートスプレーで周囲をおおったもの。チョコレートムースを重ねる場合もある。バスク人の象徴ベレー帽と、バスクと縁が深いチョコレートが結びついたお菓子。チョコレートは17世紀にスペインやポルトガルからバスクを経由してフランスに入ったので、フランスで初めてチョコレート工場ができたのがバスクの中心地バイヨンヌである。

Cazenave, Bayonne
☆ベレ・バスク食べ比べ
Paries, Biarritz Henriet, Biarritz Maison Adam,
St.Jean de Luz
お酒の風味がするやわらかめのソフトなガナッシュ ガナッシュのみの風味が生かされている。ガナッシュはやや固め。 ガナッシュの風味が全面に出るが、食感はやわらかめ
○メテュールMéture
バスクおよびベアルン地方のトウモロコシ粉のパン。

キリスト教にまつわるお菓子
○サン・ジャン・ド・リュッズのマカロンMacaron de Saint-Jean-de-Luz
マカロンはアーモンドパウダー、砂糖、卵白で作った生地を丸く絞って焼いた菓子。サン・ジャン・ド・リュッズのものは、スペイン産の良質なアーモンドをたっぷり使ったマカロン。ねっとりとしていてコクがある。1660年ルイ14世とスペイン国王フェリペ4世の娘マリ・テレーズの結婚式のとき、お菓子屋「Adamアダム」では美しく気立てのよいガチューシャという従業員をつかわして、その店のスペシャリテ、マカロンを贈物とした。王妃はたいそう感激しご褒美にロザリオを与え、ガチューシャはその後アダムの甥と結婚し、この店の伝統を守り続けたという。


★マカロンは、パリ、ロレーヌ地方ナンシー、ピカルディー地方アミアン、シャンパーニュ地方ランス、ポワトゥー地方モンモリオンやニオール、サントル地方コルムリー、アキテーヌ地方サン・テミリオン、ベアルン地方ポーなど、フランス各地で作られるポピュラーな地方菓子である。             

Maison Adam, St.Jean de Luz
☆マカロン食べ比べ

Henriet, Biarritz

Paries, Biarritz

Maison Adam,
St.Jean de Luz
Henrieのものは、ぷっくり系でやや、ねっちり。Adamのものは、1番おいしいと高評価。ほこほこ、ねっちり感のバランスがよい。

 

コンフィズリ
○トゥーロン Touron
やわらかい半生仕上げのマジパン菓子。ラテン語torrere「グリルする」からスペインの菓子turrónとなったのが語源。煮詰めたシロップに粉状にしたスペイン産アーモンド、ハチミツ、卵、色素を混ぜてテリーヌ型の形にして乾燥させる。ドライフルーツを加えたり、カラフルな色に仕上げたりする。もとはスペインはトレドの生まれ。南西フランスでバリエーションがある。バスク地方のものは、赤く着色したアーモンドペーストを丸め、岩梨の実を模しており、バスク地方バイヨンヌのものはマジパンに色々な着色をし、アーモンドを加えることもあり、ドーフィネ地方ガップのものは、砂糖、ハチミツを用い、アーモンドとへーゼルナッツを加える。またカタロニア地方のものは、プロヴァンス地方のヌガーに似ており、アーモンドやへーゼルナッツを加えて作る。

Cazenave, Bayonne