カンカルCancale食べ歩き
カンカルといえばカキ。カンカルのカキは、17kmの潮の満ち引きにより鍛えられており、ちょうど川が流れ込んで塩水と淡水が混ざる場所で育っているので、特別である。私の訪問の目的はメゾン・ド・ブリクールでのランチ。
レストラン
Maisons de Bricourt:メゾン・ド・ブリクール
1, rue Duguesclin, 35260 Cancale Tel: 02.99.89.64.76
2ツ星レストラン
。ルレ・エ・シャトー。オリヴィエ・ロランジェ氏の料理は繊細で香り豊か。ブルターニュの魚介類を堪能できる。
<ある日のランチメニュー>
テーブルの上には自家製のバターとゲランドの塩、ハーブ、スパイス
○突き出しに木の葉型の石のお皿にのったさいころ状のサバのマリネ、ミント、生姜、パプリカ、オイル風味
(一口で食べてしまうが、脂がのっていて上品なお味)
○ウエイターさんが活きたオマールをかごに入れ見せに来る。うん、おいしそう。


○貝の器に入った3つのオードブル
(まとう鯛のタルタル、ムール貝のカレー風味、トマトのコンカッセ)
○カニの身をセルクルで円筒型にし、上にかにミソを載せたもの
(ビネガーを効かせたかにミソのソースと、カニの甲羅のフォンに甘口ワインを入れたジュレ添え)

○ひめじのコトリアッド(魚の煮込み)、レモンバーム風味、付け合わせにゆでたジャガイモとハーブ
○半身のボイルしたオマール、パクチ、カラメル、コリアンダーの風味のソース
○まとう鯛のソテー、生姜とターメリック風味のソース、蒸した縮緬キャベツとマンゴーチャツネ

○パヴェ・ドージュというポン・レヴェックと同じ製法のウォッシュ
(タバスコの香りのトマトソース、セミドライトマトと生のヘーゼルナッツ添え、レーズンパンつき)
○ソテーしてセルクルで形つくった桃、レモングラスと生姜味のアイスクリーム、ミントの香りの桃のソース
○白いお皿の真ん中に白いレ・リボ(ブルターニュ特産のミルクの上澄み)のソルベ、まわりに真っ赤なフレーズ・デ・ボワ、フランボワーズ、ミュール。あとから赤いソースを1人1人にかけてまわるというプレゼンテーション。

○チョコレートのビスキュイとカルダモン、ジンジャー、バニラのアイスクリーム
○仕上げに、木製のスパイスケースの上にプチフール
(生姜とチョコレート、野苺とレモン、カラメルとアーモンド、アニスと胡麻をゼリーで固めたもの)

シェフはケルト人であり、その文化を大切にしている。シェフによると、ケルト人はチーズ、きのこを食べない。カキはブルターニュで有名な海産物であるが、これには2種類ある。カンカレーズはブロンとも呼ばれ、丸くて薄い形。ミネラル分が多い風味。クルーズは、ジャポン、ポルトゲージュとも呼ばれ、下が膨らんだ形、風味はナチュラル。クルーズ種は一時病気でだめになった時に、日本から輸入されたことがあり、ジャポンと呼ばれた。カキは食材の王であり、オマールは王女である。そしてクリスマスには必ずオマールを食す。オマールの雌は胴の幅が広く、ミソが黒い。雄のミソは茶色。とのこと。敷地内にはバター小屋もあり、近くのおばあさんから買い取ったという手作りバター機は今も現役。木の樽をぐるぐる回して撹拌して脂肪を固め、分離した水分を木の樽が吸うしくみ。その後水を入れて脂肪以外の成分を2回洗い流して完成。料理はどの皿もスパイスとハーブがふんだんに使われていて、食をそそる。魚を上手く扱っているのもポイントが高い。パンは海藻の入ったもの、セーグル、カンパーニュの3種。デザートにも全く手を抜いていない。今までで1番お気に入りのミッシェル・ブラにはわずかに及ばないが、堂々2位の評価。 (1998/8/23)