ディジョンDijon食べ歩き
ディジョンは、フランス王家に対抗していたブルゴーニュ公国の首都として君臨した栄華の都。公国の歴代の王たちが集めた美術品や中世建築の遺産を多く残している。歴史に培われた街並みには気品や風格が漂う。フランス伝統料理のルーツとしても名高く、“美食の故郷”ともいわれている。お菓子好きには、ディジョンといえばパン・デピス
アクセス
パリ・リヨン駅からTGVで約1時間40分。TGVは1日15本前後。
モデルコース
(8:52パリ・リヨン駅発→10:34ディジョン着)旧市街(旧ブルゴーニュ大公宮殿、ノートルダム教会など)→マルシェ→お菓子屋さん
(所要半日)

観光スポット
ディジョン観光は、イラスト入りの地図を入手し、番号の振ってある建物を目指して、オリエンテーリングのように趣のあるというか煤けた感じの旧市街を歩くとよい。この古都の優雅さは、その黄金時代に当たる13世紀後半から16世紀にかけて北方ルネッサンス発祥の地、フランドル地方(現在の西北ベルギー)やドイツから多くの芸術家を集めた結果だという。華麗な屋根を持ったゴシック様式の豪邸がその特徴。
□旧ブルゴーニュ大公宮殿(Palais des Ducs de Bourgogne)
町の中心に建つバロック様式の建物。1804年に破壊され、残っているのは1/3。現在はベルサイユ宮殿の設計者によって修復され、市庁舎と美術館になっている。その北側にある、正面のファサードが特徴的な
□ノートルダム教会(Eglise Notre-Dame)
町の中心に建つバロック様式の教会。13世紀のステンドグラスが美しい。裏側にまわるとスリムな外観とすくっと伸びた青い三角の塔が良く見える。
□サン・ミッシェル教会(Eglise St.Michel)
15〜17世紀にかけて建てられたルネッサンス様式の教会。正面が調和のとれたデザイン。入口の櫛形の壁には“最後の審判”の浮き彫りが施されている。
□サン・ベニーニュ寺院(Cathedrale St.Benigne)
ニス塗りのタイル屋根に象徴される。10世紀建造。4度にわたる破壊のため、93mの鋭い尖塔は12〜13世紀の後期ゴシック様式になっている。地下に11世紀初頭の納骨堂が残っている。
□フォルジュ通り(rue des Forges)
ディジョンで最も古い家並みが残り、中世の趣のある古い館が建ち並ぶ。本来観光のハイライトであるはずの小ルーブルとも呼ばれる美術館(Musee des Beaux-Arts)は、火曜休館。
□おまけ:触ると幸せになれるというふくろう
建物の角のちょうど手を伸ばして届く辺りにくぼみがあり、まわりと色が異なっている。触られてすっかりテカテカになり、丸く輪郭を浮き上がらせているのが、ふくろうといえばふくろう。いわれなけれはちょっとわからない物体。マナー通りに、右手の中指と薬指の間でふくろうを挟むように撫でる。

お菓子屋さん
□Mulot et Petit Jean:ミュロ・エ・プティ・ジャン
13, place Bossuet, 21000 Dijon Tel: 03.80.30.07.10
ディジョンといえばパン・デピスPain d'Epices 。ノーマルのパン・デピスは思ったより軽く、パウンド型のカンパンのよう。そういえば朝、ホテルでスライスしてパックされた茶色のパンのようなものがあったが、あれがパン・デピスだったとは。翌朝それを2〜3個ポケットに忍ばせたのは、言うまでもない。ここで私が買ったのは、パウンド型のパン・デピス(18FF)、箱入りでレーズンサンドのようにリンゴジャムやマーマレードを挟んだもの(8個入り各37FF)、特産品のクレーム・ド・カシス(黒すぐりのリキュール)のボトル(58FF)とミニチュア(16FF)、幸せを持ち帰るためにふくろうの小さな陶器の置物(15FF)。パン・デピス入りのくまのマークのキャラメル、コルク型の一口サイズのパン・デピスもおみやげによい。


グルメスポット
□マルシェ
さすが食通の町、マルシェが大きい。生鮮食料品を扱う温室のような室内と、その周りに洋服やら生活雑貨を扱う露店がひしめき合っている。中には野菜やチーズ、ピクルス、肉、もちろんパン・デピスの店などが整然と並んでいる。パン・デピスは、いかにも手作りという感じの、しっとりしたハチミツの多そうなタイプのものと、クッキーのように焼いてあるものがあったので、両方買ってみる(10FF)。角の方でヤミ商人っぽいおじさんがジロールを売っている。マルシェに続く道も商店街で、マスタードやチーズ、パンを売る店が続く。さすがにマスタードは本場らしく、メーカーも大きさも種類も豊富。お土産用にと小さな瓶のもの(4FF)いくつかと、エストラゴン風味のもの(7FF)を買う。その他にエポワスEpoisses(10FF)と、グージェールGougere(6.2FF)というシュー生地にチーズを練り込んで焼いたものを購入、熱いうちに試食。
□Maille Grains Poupon:マイユ・グラン・プポン
32, rue de la Liberté, 21000 Dijon Tel: 03.80.30.44.02
マスタード専門店。
□Hostellerie de l'Etoile:オステルリー・ド・レトワール
1, rue Marceau Tel: 03.80.73.20.72
ディジョンの石造りの広いレストラン。エスカルゴ、牛肉の赤ワイン煮など郷土料理が楽しめる。ブルゴーニュを満喫。
○2種類のパテのパイ包み
○テリーヌ
○卵の赤ワイン煮

○名物エスカルゴ
○牛肉の赤ワイン煮込み、ジャガイモ添え

ワインはラベルがかわいいボージョレのモルゴンMorgonと赤ワインづくし。(1996/8/27)
□La Côte d'Or:ラ・コート・ドール
2, rue d'Argentine, 21210 Saulieu Tel: 03.80.90.53.53
ディジョン、ボーヌから車で1時間位のソリュー村にある3ツ星レストラン。ルレ・エ・シャトー。18世紀の宿駅だったという建物は、木の梁が太く歴史を感じる。暖炉を囲むサロンもある。宿泊もできる。
<ある日のディナーコース>
○サーモンのタルタル
○帆立のグリル
○かえるのフライ、グリーンのパセリソースとにんにくソース
○鯛のグリル
○ジビエのグリエ、フォアグラのソテー、トランペット茸のソテー添え
○チーズ
○チョコレートのアイスクリーム

ワイン:Chambolle-Musigny, Les Charmes, Domaine Amiot-Servelle1997(770F)
<宿泊体験記>
ボーヌのインフォメーションでタクシーを呼んでもらう。来てくれたおじさんはとても陽気。英語があんまり得意でなくてごめんね、なんて言っている。聞けばボーヌのバス会社のオーナーさんだとか。日本製のカーナビをつけているが、情報はお粗末。暗い夜道を120〜30kmでぶっ飛ばす。ソリューまで1時間、700〜750Fと言われていたが、600Fですみほっとする。到着してホテルカードに記入して、部屋に案内される。部屋はクラシックで、床は素焼きのタイル。上高地帝国ホテルといったところか。ベッドも広いし、バスルームも最新式でゆったりしている。部屋の脇にクルミが山盛り置かれていて、これがまたおいしい。窓の外は中庭。これでスタンダード・ツインルームが1100Fとは!ほどなくノックの音が。驚いて出ていくとシャンパーニュ(Perrier-JouetnのGrand Brut)のサービス。しかもボトル。つまみ(ドライソーセージと揚げたベーコン)つき。思わずどうして?と聞いてしまいました。するとボーイさんサービスなのでという。食前酒はいらないと思っていたのに、やっぱり聞かれて頼んでしまったキールロワイヤル。そしてヘビーなディナー。翌朝10時頃サロンに朝食をとりに行くと、もう宿泊客は出発しているのだろうか、誰もいない。そしてホテルの車でバス停まで連れていってもらって(といってもとても近いのだが)、モンバール行きのバスに乗る。ソリューは山のど真ん中にあるのだと思っていたが、隣もホテルで、ガソリンスタンドもあり、実は街道沿いの結構な村だった。バスは牛や羊が草をはむのどかな田園地帯を通って、小1時間で駅に着く。モンバールからTGVでパリに戻る。駅前には1軒のホテル以外は何もなく、駅員さんも見当たらず、どうしてTGVが停まるのか謎だが、とにかく電車はちゃんと来て、パリまでちゃんと帰ることが出来た。
 (2000/11/9)