ラングドック・ルシヨンのワイン

フランス最大の栽培面積を誇る。フランスワインの1/3以上をこの地域から産するが、ほとんどは日常消費用のワインである。片岩、砂岩、小石等の水はけのよい多様な土壌を持つ。気候は地中海性気候であり、コルシカ島に次いでフランスで最も暑い地方。時折激しい降雨があるが、その日数は多くない。全体的に雨の少ない地方である。風が陸側から吹く場合は乾燥が強まり、反対に海側から吹く時は暑熱の影響が和らげられて、ブドウに好ましい温度が持ち込まれる。このような土壌と気候から、ミュスカ、バニュルスといった天然甘口ワイン(VDN)が生産されることで有名である。

■ブドウ品種
○白 
クレーレットClairette、ピクプールPicpoul、モーザックMauzac、ユニ・ブランUgni Blanc、
マカブーMaccabeu、ブールブーランBourboulenc、リスタンListan、テレTerrets、
グルナッシュ・ブランGrenache Blanc、マルサンヌMarsanne、
ミュスカ・ア・プティ・グランMuscat a Petits Grains
●赤 
グルナッシュGrenache、カリニャンCarignan、アラモンAramon、サンソーCinsaut、
シラーSyrah、ムールヴェードルMourvèdre、アリカンテ・ブーシェAlicante Bouchet、
リャドナー・ペル(ト)Liadoner Pelut


■主なAOC
ガール地区Gard
ニーム南に広がる地域。伝統的な品種から造る赤ワインが主流。AOCはコスティエール・ド・ニームCostrières-de-Nïmes(赤、白、ロゼ)、クレーレット・ド・ベルガルドClairette de Bellegarde(白)。
ラングドック地区Languedoc
ニームからナルボンヌにかけての広い地域のAOCがコトー・デューラングドックCoteaux du Languedoc(赤、白、ロゼ)で、その中の12村が村名表示を認められている。他にクレーレット・デュ・ラングドックClairette du Langudoc(白)、ラングドック地区の中では評判の高いフォジェールFaugères、サン・シニアンSt-Chinianがある。
ミネルヴォワ地区Minervois
しっかりした赤ワインとフレッシュな白ワインを産する。AOCはミネルヴォワMinervois(赤、白、ロゼ)。
コルビエールとフィトー地区Corbières et Fitou
フィトーFitou(赤)はラングドックで最も早くAOCを認められた。すぐれた赤ワイン。コルビエールCorbières(赤、白、ロゼ)では変化に富んだワインを産する。

特別なワイン
ヴァン・ドゥー・ナチュレルVin Doux Naturels(VDN)
発酵途中にアルコールを添加し、甘味を残したワイン。ブドウ品種、醸造方法により、赤・白・ロゼがある。
アルコール含有量は最低15%。
ヴァン・ド・リケールVin de Liqueur(VdL)
リキュールワイン。果汁の発酵前にアルコールを添加して造るリキュール。アルコール含有量は15〜22%。
ランシオVDN Rancio
故意に酸化させたVDN。温度の高い室内、軒下に樽を置き酸化を促す。あるいはボンボンヌ(Bonbonnes)と呼ばれる大型(約30L)のガラス瓶を屋外に放置し、日中と夜間の温度差によって酸化させる。


■料理とのマリアージュ
この地域で注目すべきワインは小粒のミュスカ種によって造られる天然甘口ワイン(VDN)である。乾燥した気候はブドウを完熟させ、豊富な糖分を有するワインを生み出す。メロンと一緒に楽しむアペリティフには欠かせないワインである。また、グルナッシュ種から造られる天然甘口ワインのバニュルスは、イチジクやブドウを添えたブルーチーズ、チョコレートを使ったデザートと素晴らしい取り合わせとなる。リムーで生産されるシャルドネ種を小樽で熟成させた白ワインは、スズキや平目のムニエル、カリニャン種の個性が反映されたフィトゥやコルビエールの赤ワインは、カスレと合わせると良い。また、オック産のセパージュワインはカジュアルな感覚で楽しめる。