ロワールのワイン


約1,000kmに及ぶフランスで最も長いロワール川流域の生産地。オーヴェルニュの山地からロワール川の河口まで変化のあるブドウ畑が続く。ここで共通しているのはロワール川だけで、土壌は上流の火成岩からプイィやサンセール地区の粘土、石灰岩を経て、下流の砂利や砂、泥土まで様々である。ワインの種類は大変豊富で、若飲みの飲みやすいタイプが造られる。栽培面積は7.5万ha、年間生産量は250万hl。4つの地区に分けられる。

@ペイ・ナンテ地区Pay Nantais
ロワール川下流、ブルターニュ半島南部の付け根一帯。有名な辛口白ワイン、ミュスカデの産地。
Aアンジュー、ソーミュール地区Anjou、Saumur
ロワール川中流。アンジューは12世紀イギリス国王となったヘンリー2世の故郷だったため、ワインを大量にイギリスへ輸出していた。第2次世界大戦前までは中甘口か甘口の白ワインが中心であったが、今日ではカベルネやグロロ種から造るロゼワインが最も名高い。
Bトゥーレーヌ地区Touraine
ロワール川中流。さわやかな白のヴーヴレ、すみれ香のする赤のシノン、ラズベリー香のする軽い赤のブールグイユなどを産する。
C中央フランス地区Centre Nivernais
ロワール上流。右岸のプイィ・フュメ、左岸のサンセールの白ワインが名高い。

ブドウ品種
○白 ミュスカデMuscadet(別名ムロン・ド・ブルゴーニュMelon de Bourgogne)
    シュナン・ブランChenin Blanc(別名ピノー・ド・ラ・ロワールPineau de la Loire)
    シャルドネChardonnay
    ムニュ・ピノーMenu Pinot(別名アルボワArbois)
    シャスラChasselas
    ソーヴィニョン・ブランSauvignon Blanc(別名ブラン・フュメBlanc Fume)
●赤 カベルネ・フランCabernet Franc(別名ブルトンBreton)
    カベルネ・ソーヴィニョン Cabernet Sauvignon
    ガメイGamay
    ピノー・ドーニPineau d'Aunis
    グロローGrolleau
    コーCot(別名マルベックMalbec/オーセロワAuxerrois)
    ピノ・ノワールPinot Noir


AOC

料理とのマリアージュ
ロワール下流に広がるペイ・ナンテ地域では、ミュスカデ(ムロン種)を用いるため酸味が味わいの主役となり、さわやかで清涼感に富んだ白ワインとなる。またシュール・リで造られたワインは軽快さと活力がある。ムール貝の白ワイン蒸し、カキのフローレンス風、魚介のスープなど海の幸を使った料理には相性が良い。中流域のシュナン種による白ワインは、辛口から甘口まで幅広いタイプがある。辛口のアンジュやソーミュールは果実味に富み、ドライな口当たり。川魚の白ワイン蒸しや、白ワインバターソースに合う。薄甘口のヴーヴレは果実味が豊かで、食前のアペリティフに最適で、クリームを使って仕上げたソース料理にも良く合う。甘口ワインのボンヌゾーやカールト・ド・ショーム、コトー・デュ・レイヨンのワインは、酸味と甘味のバランスが良いので、フルーツのタルトなどにも合わせられる。アンジュとソーミュールでは薄甘口のロゼワインもポピュラーで、アペリティフによい。赤ワインではカベルネ・フラン種から造られるシノン、ブルグイユ、ソーミュール・シャンピニーがあるが、いずれも軽いタイプで、パテ類やテリーヌ類に合わせたり、サケやカツオなどの魚料理に合わせたりする。上流のサンセールとプイィ・フュメの、酸味が強固で植物的なアロマが感じられるソーヴィニョン・ブラン種による辛口白ワインは、ハーブ風味を効かせたスズキや鯛、若鶏のヴィネグレットソース、シェーブルチーズなどと相性が良い。