ロックフォール・シュル・スールゾンRoquefort-sur-Soulzon食べ歩き
世界的に有名なブルーチーズを生産する村。ロックフォールの洞窟は1億年前の噴火でできた石灰岩の洞窟で、長さ約2km、幅約300m、深さ約300mにもおよぶ。
グルメスポット
□Roquefort Papillon:パピヨン社
5, rue Saint-Pierre, 12250 Roquefort-sur-Soulzon
1960年創業の家族経営のチーズ製造メーカー。チーズの生産は12月〜8月末まで。ロックフォールの年間の生産量は、大手7社で18000トン。このうちパピヨン社は、2000トン(66000個)。
<チーズの作り方>
羊はラコーヌ種。母体のサイクルを考え、1年のうち7ヶ月のみ搾乳。186の農家から乳を集めている。AOCの規定により、村の洞窟で熟成させなければならない。洞窟にはフルリーヌと呼ばれる天然の湿った風が、外が暑いときは吹き込み、涼しいときは吐き出し、中の温度を調整している。1日2回搾乳した乳は、集めてカーブに運ばれ、30℃に温め凝乳酵素(プレジール)を加えて2時間かけて凝固させる。できたカードをカット、攪拌し、パンのカビ、ペニシリウム・ロックフォルティを播く(1トンに対して100gのカビ)。型に入れ、水切りのため、1日5回、3日間ひっくり返す。この後、上下の表面に針で穴を空け、塩付けすると2日でカビが発生。これを「パン」と呼ぶ。これを10〜11℃、湿度98%の熟成用のカーブに運び、3週間ほど空気にふれさせると発芽する。それをアトリエに上げて、手でアルミ箔に包んでおいておくと、カビが進み、3ヶ月で熟成。それをスズ箔でぴっちり包んで、それ以上熟成が進まないように、8〜14℃の冷蔵庫(chamble de froid)に移す。AOCの規定では熟成期間は90〜350日と決められているので、それに合わせて出荷を調整する。出荷の前に待合室と呼ぶところで温度を戻す。スズ箔をとって、表面をならし、塩、カビ、油分をとる(クビラージュという)。アトリエに移して半分に切り、中の状態を人がチェック。ブルーがこいものは黒ラベル、いまいちなものはボルドーラベルになる。白のBIOも生産している。黒ラベルはチーズ専門店や輸出用、ボルドーラベルはスーパーへ出荷される。両者の価格は大きく違うが、ここを出るときの値段はたいして違わない。もちろん品質に大きな差はない。青カビをとるためのパンは9月初旬に500個焼く。天然酵母、セーグル(80%)、小麦(20%)を木のかまどで焼く。表面がパリっとして割れるくらい、中は半生がよい。カーブに入れて40〜60日でカビができる。このカビをとって粉にする。カビは各社オリジナル。塩はエグモント産。

<他の商品>
ペライユPérail(殺菌乳から作る小型のチーズ、カビは使用しない)、パータ・タルティエ“フォンダン”(ペースト状のブルーチーズ)、羊乳のバター。
<試食>
チーズとミュスカワインとを試食。ロックフォールは日本で食べるのと全然味が違う。はじめて口にするバターはとても繊細でほのかに甘くクリーミー。お菓子作りに使うとよいそうだ。自前の塩をちょっと振ったら味が格段に引き立った。日持ちが悪いのであまり流通していないそうだ。合わせるワインは赤ならタンニンの強いものやリキュールタイプ、白ならミュスカ・ド・リボザルドMuscat de Rivesaltesがおすすめ。パンはセーグルのものと合う。

<ロックフォールの伝説>
あるとき羊飼いが洞窟に避難し、パン、チーズを食べかけ、そのまま残して出かけた。戻ったら、パンにはカビが生え、残っていたチーズが触れていて、ブルーチーズになっていた、というもの。この洞窟は逢引の洞窟だという説もあるらしい。
レストラン
□Le Moderne:ル・モデルヌ
54, Avenue Alphonse-Pezet, 12400 Saint-Affrique
Tel: 05.65.49.20.44
ロックフォール近郊にあるホテル・レストラン。各社のロックフォールが食べられる
○ズッキーニのスープ
○ペライユのトーストのサラダ、トマト、卵、ラディッシュ
○バベットステーキ、ロックフォールソース
○各社ロックフォール
○デザート(フローヌ)


デザートはフローヌFlauneというロックフォールを作った残りの乳清、卵、砂糖、小麦粉、オレンジの花の水で作ったタルト。アングレーズソースが添えてある。これぞ地方菓子!最初食べたときに練乳のようなミルキーな味がして、でも油分をさほど感じず、何のタルトだかわからなかったのでお店の方に伺ったら、Flaune(書いてもらった)だという答え。フランスにはチーズケーキがないといわれているけど、やっぱり産地にはあるんのだ。しかも廃物利用。お菓子ってほんとうに余りものから作られると実感。(2002/10/3)